■ 書籍紹介
『焼きミスよさようなら!! DVD/CD-R パーフェクトデータ』 森 康裕著

dvd/cd-r

 ここ数年CDやMD等の業務用機器からの各メーカの撤退が相次ぎました。これからは舞台音響の再生や制御はコンピュータがその主力となり、大きく様変わりするのは必定の情勢です。そんな中にあってCD-Rは、かつてのオープンテープの後継として、実績・性能・経済性などの点で、まだまだ現役です。2チャンネルの用途では、収録時間も十分で、MDと比し音質面でも優位です。

 題名だけを見ると、単なるノウハウ本かと思ってしまいますが、中身は充実しています。DVD-RとCD-Rの記述はほぼ半々です。CD-DAにも目配りが利いています。著者は光ディスク歴17年で、自らの名を冠したDVD-Rメディアの開発者でもあります。その言によれば、CD-Rの音質は、ドライブ・メディア・電源で決まるとのことです。「デジタルの究極はアナログである!!」と断言しています。
【本書の目次 】
第1章
最新59製品 DVD-R /+Rメディア品質チェック
第2章
DVD-Rを徹底活用するための基礎知識&テクニック
第3章
DVDの意外なトラブル回避&裏ワザ的活用術
第4章
全30製品 CD-Rメディア品質チェック
第5章
CD-R徹底活用のための基礎知識&データ
第6章
データを失わないためのDVD/CD-R保存&メンテナンス術
付録
CD-Rを使用する上で必要不可欠な基礎知識
CD-Rメディア測定項目の詳細な解説
CD-Rの歴史と名ドライブたち

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 CD-Rが登場したのは1989年。自分で初めてCD-Rを焼いたのは、DENON製のレコーダでした。AD/DA部とドライブの分離した型で、確かDN-7700Rでした。1993年頃だったように思います。当時は太陽誘電の63分のディスクが3千円もしたので、失敗は許されず緊張したものです。今ではその価格は数十分の一ですから、隔世の感があります。
 本書は、CD-Rの基礎はもとより、その歴史・規格・実測データ・耐久性からレーベル印刷まで網羅しています。ライティングソフトに関する記述が少ないのが玉に瑕ですが、プレイステーションや99分メディアに触れるなど、マニアックな一面もあります。

 刊行から2年が経ち、最新情報に欠ける恨みはありますが、CD-Rを深く知り、実用的な情報を得る好書です。

書名
焼きミスよさようなら!! DVD/CD-R パーフェクトデータ
著者
森 康裕
発行所
三才ブックス
発行日
2004年7月20日
判型
A5判 224頁
定価
1,800円 (税別)
ISBN
4-915540-83-9

(ステージ・サウンド・ジャーナル 2006年7月号より)